すぐお隣の国、韓国。飛行機では2~3時間ほどで行けるので旅行先としてもとても人気ですね。
海外と言えば時差がありますが、近くの韓国にも時差はあるのでしょうか?
答えは、現在はありません。
ですが、昔は時差のあった時期もあるというのです。
これはどういうことなのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
日本と韓国の時差はなぜないの?本当の時差は?
はじめに、時差について簡単に説明したいと思います。
時差とは、地球が自転することによって経度の違いから生じる時間の差です。
昔は世界各地で太陽に合わせて時計の時間を合わせていました。
1884年の国際子午線会議で、イギリスのグリニッジ天文台を通るグリニッジ子午線を基準とする、グリニッジ平均時が世界の基準時として採用されました。
この子午線を起点に経度が15°ずれると時間が1時間ずつずれていきます。
360°で24時間となる計算です。
日本では東経135°(兵庫県明石市を通過)を基準としています。(UTC+9:00 これは協定世界時UTCから9時間進んでいるという意味です)
そして、現在の韓国の基準も日本と同じ東経135°なのです。(UTC+9:00)
日本と同じ東経のため、時差はないということになります。
この基準について韓国では古くから、さまざまな歴史があったようです。
1908年大韓帝国時代に東経127.5°を基準とした韓国標準時が採用されました。(UTC+8:30)
これが実際の東経です。この時日本との間に約30分の時差がありました。
その後1910年からの日本統治時代、政治的に日本と同じ時間にするため1912年東経135°を基準とすることになります。(UTC+9:00)
日本統治時代が終わり独立した大韓民国では朝鮮戦争後の1954年、日本統治の名残をなくしたいという思いから東経127.5°の韓国標準時へと戻すことになりました。(UTC+8:30)
ですが、1961年国家再建最高会議で再び東経135°を基準とするよう定められるのです。
(UTC+9:00)
その理由を大雑把に言うと、時差が30分というのは中途半端だということです。
世界の大半では東経15°で1時間単位の時差とされているためなのです。
東経が違えば時差が生まれることは分かりましたが、国によって違いもあるようです。
例えば中国など大きな国の中でも時差のない国もあれば、アメリカやロシアのように同じ国内でも時差がある国もあるのです。
日本でも沖縄と北海道では、太陽が昇る時間や沈む時間が違いますよね。
このように国によって、政治的な理由などで設定の仕方もさまざまあるようです。
韓国と時差が発生した理由はサマータイム?
実は、1948年から1960年まで韓国ではサマータイムを実施していました。
サマータイムとは夏の時期標準時間を1時間早めて時間を有効に使おうという制度です。
これにより日本との時差が出来ていました。
日本の標準時UTC+9:00を基準とすると
1948年から1951年の夏季UTC+10:00 時差1時間
1955年から1960年の夏季UTC+9:30 時差30分
そしてソウルオリンピック時にもサマータイムを実施しました。(オリンピック終了時にサマータイムは廃止されました。)
1987年から1988年の夏季UTC+10:00 時差1時間
時差の理由は経度だけではなく、サマータイムも関係していたのです。
韓国と北朝鮮の時差はなぜあるの?
同じ朝鮮半島にある国、韓国と北朝鮮にも過去に時差があった時期がありました。
北朝鮮では1948年の建国以来ずっと日本と同じ東経135°(UTC+9:00)を使用してきましたが、2015年8月に日本の植民地からの解放70年の節目として「平壌時間」を採用することになりました。
東経127.5°を基準とした平壌時間(UTC+8:30)ですが、この頃韓国ではすでに日本と同じ東経135°(UTC+9:00)を採用していたため、約30分の時差が生まれたのです。
そして2018年になり、南北首脳会談が開かれた時、韓国と北朝鮮が違う時計を使っていたことから、まずは時間から南北統一しようということになり、5月5日から平壌時間を廃止して韓国標準時(UTC+9:00)で統一され、韓国と北朝鮮の時差もなくなりました。
まとめ
日本と韓国にも昔は時差は存在しました。
これを読んで、韓国に興味のあるお子様や旅行に行くお友達に聞かれてももう大丈夫ですね。
自信をもって説明してあげてくださいね。