「残り物には福がある」ということわざを耳にしたことがある方も多いですよね。
くじ引きの順番が最後になってしまった時に言ったり言われたりした経験があります。
この言葉を実際に使ったことのある方は多いと思ますが、由来をご存知な方は少ないはず!
今回は、「残り物には福がある」の由来や意味についてご紹介します。
「残り物には福がある」の由来や意味
「残り物には福がある」という言葉の意味ですが、これは
「人が取り残したものや、最後に残った物には、思いがけなく良いものが残っている」という意味です。
日常会話でも良くつかわれていてかなりメジャーなことわざですが、由来はなんと江戸時代になります!
1783年から上演された人形浄瑠璃「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」という作品内の「余り茶に福がある。然らば今ひとつ。」というセリフが元となっています。
余り茶とは、使い残した茶葉や飲み残したお茶のことを言います。
まさに、残り物をうまく体現した言葉ということになりますね。
「残り物には福がある」の使い方
「今日は早起きしてバーゲンセールに出かけるつもりだったけど、つい寝坊してしまった。とはいうものの、残り物には福があるというし、良いものに出会えるかもしれないな。」
こちらの例文は、「残っている物にこそ良いものがあるだろうと期待をする」という純粋な意味で使った場合になりますね。
「福袋を買いにデパートへ行ったら、開店前だというのにすごくたくさんの人が並んでいた。開店と同時にダッシュして福袋をゲットする人もいるが、残り物には福があるというし、焦らずゆっくり行こう。」
残り物には福があるという言葉には、良いものがあるという期待を込める言葉としても用いられますが、同時に焦っていたり争っていたりする状況を戒める言葉としても使われます。
「100歳まで長生きしたおじいちゃんの葬儀が終わった。強欲な親戚がさっさと目についた宝石を持って帰って行ってしまった。しかし、残り物には福があるという。おじいちゃんが大事にしていたこの将棋盤はとっても高価だし、なにより一緒に将棋指した思い出もたくさんある。」
このように、期待値は低かったものの思いがけず価値があるものに出会った場合に「福がある」という感覚は大きくなりますね。
「今回の商店街くじ引きは購入金額500円ごとに1回ひける。くじを引きに行こうと思いつつ、つい先延ばしにしていたら一番最後になってしまった。あまり期待はしていなかったが、なんと一等の海外旅行が当たってしまった。」
くじ引きは最初でも最後でも当たる確率は変わりません。気合を入れて引いていった人が外れて、最後に残ったものが当たったとすれば、それはまさに「残り物に福」ということになりますね。
このように、気持ちの違いを指していう言葉でもあります。
「残り物には福がある」の類語・対義語
日本語は、たくさんの類義語や対義語が存在します。
ここでは、「残り物には福がある」の類義語や対義語について、日本語に加えて英語の両方で紹介します!
類義語
「果報は寝て待て」
「急いては事を仕損じる」
「待てば海路の日和あり」
「Good luck lies in odd numbers。」(奇数=半端物に幸運あり)
「Sometimes the lees are better than the wine。」(ワインより澱の方が良いこともある)
対義語
「巧遅は拙速に如かず」
「先んずれば即ち人を制す」
「You snooze、you lose」(待てば負ける)
「The early bird gets the worm」(早起きの鳥は虫を捕え得る)
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まとめ
今回は、残り物には福があるということわざについてご紹介しました。
普段何気なく使っていることわざですが、その由来までしっかり知っているということは少ないのではないでしょうか。
同時に、なんとなく使っているけど正しい意味や使い方を知らないということもあるかもしれません。
今回は例文に加えて、類義語・対義語についても併せてご紹介しましたので、ぜひ活用してみてくださいね。