よく「雰囲気」(ふんいき)を「ふいんき」と読むことがありますが、なぜなのかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか。雰囲気という漢字を読んでも、読み方は「ふん・い・き」になりますよね。しかし現代では雰囲気を「ふいんき」と読んでも、間違いだと指摘されることも減りました。なぜなのか理由を調査してみましょう。
また、雰囲気をふいんきと読むように、なぜか間違って読まれたまま受け入れられている日本語についても調べてみましょう。
雰囲気を「ふいんき」と読むのはなぜ?
雰囲気という日本語が「ふんいき」とも「ふいんき」とも読まれる理由は何なのでしょうか?
結論からいうと「ふんいき」よりも「ふいんき」のほうが発音しやすいからだそうです。「ん」の次に母音である「い」が来ると、発音しにくいと感じる人が多くいるようですね。そのため、本来は「ふんいき」が正しいにもかかわらず「ふいんき」と読んでしまうのだそうです。
漢字を習って初めて読み方を知る人も
雰囲気を「ふいんき」と読んでしまうのはなぜなのか、その理由の1つに、漢字を習って初めて正しい読み方を知る人が多いことがあります。雰囲気という言葉は小学生でも使うことがありますが、漢字を知らない場合、発音しやすい方の「ふいんき」と言うことがよくあります。そして、中学生になり雰囲気という漢字を習うことで、初めて正しい読み方を知るという流れがよくあるパターンだそうですよ。
しかし、すでに「ふいんき」と言い慣れているために直すことができず、大人になってもふいんきと読み続けてしまうようです。
【参考サイト:マイナビニュース】
「ふいんき」でも正しいとされている
雰囲気を「ふいんき」と読む人が一定数いることで、現代では「ふいんき」と読むことを間違いとされない風潮があります。
日本語学で「音位転倒」と呼ばれる現象で、同じような音に引っ張られたり影響を受けたりすること、またそれを大多数の人が経験することで定着してしまうことをいいます。
最初は間違いだと思われていても、多くの人が同じ間違いをしたまま発音され続けた場合、間違った方を正解にしたり、複数の発音を正解としたりする…そんな非合理的な変化が起こってきたのですね。
【参考サイト:ラジトピ】
ほかにもある!間違えやすい日本語
雰囲気を「ふいんき」と読むのがなぜだろうと疑問視されているように、ほかにも間違って読まれている日本語があります。
あなたはいくつ、正しい読み方を知っていましたか?チェックしてみてくださいね。
漢字 | 正しい読み方 | 間違った読み方 |
体育 | たいいく | たいく |
店員 | てんいん | ていいん |
全員 | ぜんいん | ぜいいん |
原因 | げんいん | げいいん |
唯一 | ゆいいつ | ゆういつ |
満員 | まんいん | まいいん |
【参考サイト:NHK】
いかがでしょうか。雰囲気を「ふいんき」と読んでしまう間違いと同じものを列挙してみると、ほぼすべての言葉に「ん」が入っていて、その次に母音「い」が来ています。「んい」が間に入る言葉は、順序が入れ替わって「いん」になったり、発音しづらい「ん」を省いて「い」に置き換えたりされているようです。
私たちは、日本語を発音するのに自分たちが言いやすい読み方にアレンジしてしまっているのですね。
まとめ
雰囲気を「ふいんき」と読むのはなぜなのか調査しました。また、同じように間違ったまま読まれている日本語をまとめてみました。日本語はひらがな・カタカナ・漢字の3種類を組み合わせて言葉を作るため、ネイティブスピーカーの私たちでさえまだまだ間違えることがありますよね。しかし、間違った読み方が大衆の支持を受ければ、受け入れられたり間違いとして指摘されなくなったりすることがあります。
あなたは正しく読めていましたか?これを機に、ぜひ正しい読み方を覚えてみてくださいね。